Marketing i's [マーケティングアイズ]

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なぜ、サボる人ほど成果が上がるのか? タイパを考えて仕事で効果を出すための時間術101のヒント

タイムパフォーマンスを考えて効率を上げる、
空けた時間で、成果のあげられる仕事に取り組む、
そしてメリハリつけてサボる。

時間を濃縮し、成果を出すための時間術、
「なぜ、サボる人ほど成果が上がるのか?」 
〜仕事の成果を出す自由な時間のつくり方
を、2023年3月に出版しました。

なぜサボる人ほど成果が上がるのか.jpg

私としては、23冊目の出版のうちの、
時間術4冊目になります。

▶️ 詳細はこちら → なぜサボる人ほど成果が上がるのか?

1. 時間を管理する前にやるべきこと

「忙しくて時間がない」のではなく、
「自由な時間がないから、忙しい」のです。
ビジネスパーソンにとって大事な時間。
でも、時間を管理する前に、すべきことがあります。
それは何か?

タスク=やるべきことをはっきりさせることです。

2.サボるとは何か?

あくせく仕事をしている人を横目に、
どこで何をしているかはわからないけれど、
抜群の成果を出す人が、周りにいませんか? 

できる人は「手ではなく頭を動かして」います。

この本では、手を動かす「作業」に対し、
"知恵を捻り"工夫し、成果につながること考える仕事を、
「価業」と呼びます。

価業をする時は、何もしないかのようにゆっくりと落ち着いて物事を考えるので、
「サボる時間」と呼びます。

「何をしてもいい自由な時間=サボる時間」をつくるほど、
成果がおもしろいように生み出せるようになるのです。

作業の時間を効率化し、

3.今考えるべきタイパ=タイムパフォーマンスとは?

時間は経営資源です。
しかも、過ぎ去ったら2度と戻ってこない、
替えの効かない資源なのです。

なので、お金の投資対効果を考えるように、
時間の投資対効果を考えたいところです。

その時間で、何を生み出せるのか、
この仕事にこれだけの時間をかけてもいいのか、
を考えることが「タイパ」なのです。

時間を作るには「やめる」か「まかせる」しかありません。
作業の時間をできる限り効率化し、時間を生み出したいところです。

この本では、タイパのいい人と悪い人の行動を徹底比較し、
「やめるべきこと」とその代わりに「やるべきこと」がひと目でわかる!

経験の浅い人はもちろんベテランでも、時間の使い方を見直せる本。

読者対象〜こんな人に読んで欲しいです

社会人歴の浅い若手ビジネスパーソン。
また、中堅以上のビジネスパーソンで、
自分の時間の使い方を見直せるヒントがつかめる内容にしています。

「いつも忙しくて1日があっという間」という営業の担当者だとすると、
顧客に提案する資料を作る時間と、
アポを取る時間、報告書をまとめる時間など、
何をいつやるといいのか、
のヒントにして欲しいと思っています。

自分自身のサボり癖を正しく理解する

本書には自己診断テストが掲載されているため、
自分自身がどの程度サボり癖を持っているのかを把握しましょう。
自分自身のサボり癖について正しく理解することで、自己改善につながります。

メンタルモデルを育てる

本書では、成果を出すためにはサボり癖を持つ人たちが持っている、
メンタルモデルを育てることが大切だと述べられています。
具体的には、「自分のペースで進める」というメンタルモデルや、
「やるべきことを絞り込む」というメンタルモデルが挙げられます。
自分自身がどのようなメンタルモデルを持ち、
どのように育てることができるかを考えてみましょう。

ホワイトスペースを意識する
本書では、成果を出すためには「ホワイトスペース」と呼ばれる空白の時間を作ることが大切だと述べられています。具体的には、仕事の合間に休憩を取ることや、自分自身の思考を整理するための時間を作ることが挙げられます。自分自身がどのようにホワイトスペースを意識し、実践することができるかを考えてみましょう。

実践的な方法を取り入れる

ポモドーロテクニックや集中力を養う方法などが紹介されています。
これらの方法を自分自身に合わせて取り入れ、
仕事の効率を上げることができます。
自分自身に合った実践的な方法を見つけ、日常的に取り入れてみましょう。

以上のようなアプローチを通じて、本書の内容を実践することで、
自分自身の仕事においてサボり癖を克服し、
成果を出すことができるようになるでしょう。


「なぜ、サボる人ほど成果が出るのか?」では、
他の時間術の本とは異なる視点で、
時間管理や仕事術を解説しています。

この本に関するお問い合わせやご質問はこちらに:
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サボる書影.jpg

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
理央 周(りおう めぐる)

売れない問題は誰の問題なのか?ポストコロナ禍・AI時代のマーケティングは本来の顧客視点と仮説・検証、仕組み構築


私としては4年ぶりに、22冊目になるビジネス書を書きました。
タイトルは、「売れない問題 解決の公式」
マーケティング、直球の本になります。

ビジネスには「売れない」という問題は付いて回ります。

SaaS、マーケティングオートメーション、新しいSNSなどを、
やってみたけど上手くいかないのは難しく考えすぎているからだったりします。

マーケティングをひとことで言うと、
「自然に売れる仕組みが入った計画を作り実践すること」です。

この"売れる仕組み"を、「売れないという売り手の問題解決」から、
「顧客が買わない」という、
「買い手の問題発見から解決まで」という視点で考えるのが、本書のポイントです。

また、いくら市場が変わり、顧客の行動が変わっても、
売れない問題の解決は至ってシンプルだったりします。

それは、売れる仕組みを考えた時の、3つの戦略、
「何を、誰に、どうやって」のどれが間違っているからなのです。

本書では現場での実務として、
「売れる仕組み」を実践している現場で、
売れないという問題が起こった時に、
「何を、誰に、どうやって」の順で考え、作成した計画を、
検証する時はその逆の、
「どうやって」から「誰に」「何を」の順で検証する手法を紹介していきます。

売り上げがジリジリ落ちてきた、
新しい顧客が獲得できない、
値引きしないと売れない、
という「売れない」という問題を、深掘りしていくと、

市場のつかみが浅い
潜在ニーズを掴めていない
顧客が価値を感じていない

という真の問題にたどり着きます。

主語が「顧客は」になるのです。
したがって、企業が売れないのではなく、
実は顧客が"買わない"のが真の問題なのです。

コロナ禍やウクライナ情勢の変化などで激変した市場では、
企業目線ではなく、顧客視点での問題解決が必要なのです。

複雑になった顧客が抱える問題を正確に把握し、
顧客が持つ問題をどう解決していくのか、に焦点をおくべきなのです。

3つの戦略に置き換えてみると、
新しい顧客ができないは「ニーズがつかみきれていない」→何を
売り上げ減は「市場のつかみが浅い」→誰に
広告が効かないのは「顧客が知らない、見ていない」→どうやって
が間違っているからなのです。

マーケティングの戦略を立てる時は、
Product(売り物)→Target(売り先)→Communication(売り方)の頭文字を取った、
PTCサイクルの一連の流れで考える、と以前書きました。

実際に計画を実施してみて、
売れない問題が出てきた時、多くの場合は顧客に接している販促や広告などの「売り方」が間違っています。

実施後に問題が出た時は、逆にC→T→Pの順で、
PDCAのように検証を繰り返し「どうやって」に反映していくといいのです。

それではここからは、
Communication(売り方)、Target(売り先)、Product(売り物)
の順にみていきましょう。

どうやって=売り方〜宣伝・プロモーションより共感・コミュニケーション

【問題の理由】
ターゲットが、あなたの発信物を見ていない・
表現がターゲットの心に刺さっていない
そもそもその商品・サービスが要らない

【解決ポイント】
ターゲットを動かせているか?:検索、来店、購入、推奨させ
売り逃しがないか:ターゲットが便利に探し、買え、受け取れるか

【事例】本書の中では、以下のような事例を紹介しています。

広告の反応が減ってきた石油会社のカーリース
なぜ、断捨離をすると売れるチラシになるのか?
ホームページにもQRコードをつけるのですか?と訝るデザイナー
かっこいいサイトより「売れる」サイトを目指す
カタログ請求のリンクが追いかける部品メーカーのホームページ
スシローのアプリはなぜ、売り込まないのか?
10歳の子でもわかるアロマサロンの上級コースのネーミング
「レクサス全車種入ります」で稼いだタワーパーキング

誰に=似顔絵が描けるくらいにターゲットの解像度を上げる

広告、販促、営業が効かないのはターゲットがずれているから
【解決ポイント】潜在ニーズを掴む・本音を探る
ターゲットの価値観→行動→メディア組み合わせへ

【事例】
今までの営業スタイルが効かなくなると予見したメーカー社長
追加注文やリピートのメールが続々と来るのが理想なのに
うちの営業はモノしか売らない、売りやすいものから売ると嘆く社長
お客様は2種類いた! 
マーケティングオートメーションを入れて見えてきた攻略法
カスタマーサクセスを定義〜売るのは部品・欲しいのはコスト削減
ソリューション営業は「三河屋さんだ!」
営業部長はライバルの模倣品にも「落ち着け」と指示できる
試食会をやったら違うお客様が来てしまったショコラティエ
郊外の駅の中で売れるアイスクリームは誰が買っているのか?
もったいない、を儲けに変えてSDGsで売り伸ばした引越会社

何を=差別化より独自化、シェアよりブランディング、モノより効用・便益

【解決ポイント】
物の違いでなく「より良いと認識」されることを目指す
潜在ニーズをどれだけ引き出せるかが勝負
ブランド構築の4ステップをチェック:想起されるかRecall→見た目の価値Perceived Value→ターゲットと距離感が近いかAssociation→行動と心の忠誠心を持たれているかRoyalty
カスタマージャーニーとバリューチェーンを組み合わせて棚卸しし、顧客が知らないうちに犠牲にしていることに強みを当てる
中小企業やスタートアップに必要なニッチトップを奪取せよ

【事例】
ハードとソフトをセットで販売してモノ売りからコト売りに脱皮したカーエレクトロニクスメーカー
理央さん、がん保険いらないですよね〜ソニー生命の保険営業マンは保険の説明はせず将来の目標、夢を聞く
新しいお客様が取れないのは独自化ができていないから
卵を売らず卵かけご飯を売る養鶏会社
損して得取れは正しいのか?〜LCCのピーチのサブスクとガチャ
月に3日間しか売らないどら焼きが欲しくなるわけ〜「いまだけ、ここだけ、あなただけ」
じゃらんに頼らないホテルは新聞を揃える〜豊田プレステージホテル

どうやって〜仕組み化
PTCモデルでCTPの順で検証、修正した「売れる仕組み」を作る

SNS時代に求められるオムニチャネル化
なぜアマゾンはホールフーズを買収したのか?
ニューヨークにあるアマゾンロッカーで売り伸ばす
アマゾンブックスでは書籍よりアレクサとKindleを売っていた
探す、買う、受け取るがシームレスに
売り上げがジリ貧になる現状維持を予見し手を打った製薬卸会社
これから伸びる調剤薬局市場にいけ!
営業会議の後に「売り上げ倍増は無理です...」
業界脳から抜け出せない元スーパー営業マンの苦悩
カスタマーサクセス、数字、成功事例の横展開を仕組み化
段ボールの什器は実は理にかなっているジレットモデル
「忙しいからいらないよ」をどう切り返すのか?
「こんなリストを作ったんですけどどうですか?」とコンサルタントに逆提案してきた営業リーダー
自主独立して新しい販路で4倍の売り上げ達成

どう仕事を進めればいいのか?

計画を常にCTPでチェック〜好奇心を持ち顧客感度を上げる
パーパス経営の考え方をあてはめてマーケティング組織を作る
社員全員マーケターに:3つの力で自力走行する組織に
何を:仮説力(チャンスとリスクを発見できる)
誰に:顧客力(ニーズ、インサイトを掴める)
どうやって:動かす力(顧客と自社内を動かせる)

この本は、マーケティング担当者や専門家のための本ではありません。

これからマーケティングを身につけたい人
営業、経理、人事、IT、生産製造などマーケティング部以外の人
売り上げや利益に悩む企業経営者や個人事業主の方

に読んでほしいと思っています。

また、この本の詳しい解説と、ビジネス書著者の皆さんの読後感想などが見られる特設サイトはこちらから:

売れない問題 解決の公式 解説サイト

最新刊「売れない問題 解決の公式」は↓の画像をクリック:

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

「新時代の営業 変わること変わらないことを1冊にまとめてみた」横山信弘氏著作〜マーケターが理解しておくべき営業の教本

「新時代の営業 変わること変わらないことを1冊にまとめてみた」横山信弘氏著作〜マーケターが理解しておくべき営業の教本

「新時代の営業 変わること変わらないことを1冊にまとめてみた」読了。

この本は、2部構成になっていて、
第一部では、今そしてこれから、営業がどう変わっていくのか、ということ、
第二部では、時代が変化しようとも、営業の仕事の中で変わらない本質的なことが、
それぞれ語られている。

著者の横山氏が、最初に言っている不易流行、
不易とは、環境が変化しても変わらない本質的なもの。
流行とは時代の変化とともに変わっていくもの。
第一部で流行が語られ、第二部で不易が語られている。

営業の方にとって、時代の流れの中で取り入れるべき必要なことを押さえておこう、
一方で、速く劇的に変わっていく環境にいる中でも、
周りに流されることなく、本質的なことを忘れず営業をしよう、
という横山氏のメッセージを読み取ることだと思う。

では、マーケターたちはこの本をどう受け取ればいいのか?
という視点で考えてみた。

私は会社員時代に、マーケティングマネージャーとして、数多くの営業部隊と仕事をしてきた。
そういう中で、売れる営業となかなか上手く売れない営業の違いも多く見てきた。

その理由の多くの場合は、この本の第二部にある"本質"ができていない、ということもある。

ただ、マーケティング部にも大きな責任があった。

それは、マーケティング部の中にいる、ブランドマネージャーにも、
売れる人と売れない人がいるのだ。

その理由の1つは、営業を分かっていない点だ。

市場全体を考えるマーケティングは、"大体こうだろう"という推測のもとに、
全社統一の統一のキャンペーンを考える。

ここまではどのブランドマネージャーも同じ。
しかし、できるブランドマネージャーは、企画立案の時に、
営業の意見を吸い上げるのが上手い。

なぜなら、顧客に一番近いところにいるのが営業なので、
店頭でのプロモーションのアイディアなどは、
マーケターよりも"現実的な案"を出すことができるからだ。

私もブランドマネージャー時代に、売れる先輩に近づこうと、
営業の方々と小売店さんを訪問しては、
売れ具合などをチェックしていた。

起業した今も、顧問先の客先や店頭には同行をさせてもらうし、
著者としても、出版社さんとの書店さん周りを欠かさないのは、
売れるヒントは顧客接点にあるからだ。

マーケティングと営業は表裏一体だ、
と私は考えている。

横山氏と1年に渡り、クラブハウスやYouTubeなどで、
営業VSマーケティングの対談をさせていただき、
より痛感した。

相互理解が深まれば深まるほど、
売れる。

この当たり前のことが、組織ではなかなか上手くいかない。

その意味でも、営業の本質がどこにあるのか、
マーケターが営業のどのポイントを押さえておくべきか、
ということを知るのに有益な一冊だ。

手法よりも、営業の原理原則、あり方を、
マーケティングなどの企画部門が知るために、
お勧めできる一冊だ。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

 

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琉球アスティーダの奇跡 早川周作氏著〜スポーツチームと企業のマネジメントの共通点

プロスポーツで日本で初めての上場、
しかも創設3年目でチームを日本一にした早川社長の本、
ということで読んでみた

この本は、この本は、ビジネス、そして、
経営と照らし合わせて読んでみると、
見えてくることが多い。

たとえば、この業界の常識を打ち破る、
という章に、
「最初は2位でいいだろうと思っていた」
というくだりがある。
著者は、ビジネス上の経験からそう思っていたが、
アスリートは違っていた、
という内容だ。

私も世界業界2位の会社に入社し、
「うちの会社は、1位のP社に追いつけないから、
2位を確保しよう」
という戦略を、イギリス本社のマーケティングトップから聞いた時に、
大きく落胆したものだ。

自分の常識は世間の非常識。
ということが、よくあるという教訓になる。

業界の常識を打ち破るという章には、
「選手獲得はスピーディー、そしてラフに」
というくだりがある。

スピード持って意思決定をすることが重要なこと、
そして、ラフの方は「いい加減」という意味ではなく、
100点を待つより60点でGoという意味だと解釈した・
「選手を、徹底的に信頼する」
という内容と合わせて、
この内容は、組織の作り方にも通じる

そして、スポーツビジネスにお金が循環するという章では、
ビジネスモデルの作り方と、
ファイナンス、資金調達の観点で照らし合わせてみることができる。

投資家が見ている「3つのポイント」も興味深いし、
未来を見るの章も、企業のビジョン設定に共通する。

面白かったのは、
拠点として初めて借りたアパートのところ。
部屋の質やゴージャスさよりも、
実を取るという点が、
私が在籍していた時期の創業期のアマゾンと通じる点だ。

この本は、単なるスポーツチームの成功物語ではない。
スタートアップ、新規事業立ち上げの際の心構え、
特に、新しいことに挑戦し続ける姿勢が、
変化の時代の経営者にとって大きな参考になる1冊だ。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

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トップも知らない星野リゾートフラットな組織文化で社員が勝手に動き出す前田はるみ氏著

トップも知らない星のリゾート.JPG

2022年、最初に読もうと思った本が、
この「トップも知らない星野リゾート フラットな組織文化で社員が勝手に動き出す」だ。

ここのところ幸福経営、ティール組織といった次世代マネジメントの考え方が台頭している。
そんな中で、一部では、テイラーイズムを始めとする科学的管理法に疑問を投げかけている。
その背景には、幸福経営と数値管理は相反するものだと考えているからのようだ。

私がこの本を読もうと思ったきっかけは、このあたりにある。


帯にある通り、現場の発想が会社を変えたというテーマで貫かれた、星野リゾートのさまざまな業態のホテルでの10の事例が描かれている。事例はそれぞれ、社員の方々が顧客にとって何ができるかについて、自社のサービスを突き詰めていくといったことが、失敗と成功談として書かれているのだ。

第1章の、「勝手に決める社員たち」の中では、
全員で顧客満足を考える、
またサービスはいちど作って終わりではない、
自分の得意分野で活躍すれば良い、
と言った事例が、ライブ感のある描写で、
生き生きと仕事をしている様が描かれているのだ。

企画マンとして仕事をしてきた私は、
ネガティブな発想や、意見の否定からは、
新しいアイディアや、
顧客のためになるサービスが生まれないと思っている。

次々と打ち手が出てくる星野リゾートにおいて、
チームや社員のモチベーションが高く、
やる気になり、ポジティブになっていればいるほど、
良いアイディアは湧き出てくる。

これらの星野リゾートでの事例が、
異なる業態において、どのようにして生まれて、
実践されているのか、という思いで読み進めてみた。

一方で、社員が幸せだったら、それが売り上げにつながるのか、
競争力の強化につながるのか、
新しい企画の打ち手が当たることにつながるのか、
「そんなに単純なものなのか?」
という疑問も若干湧いてくる。

売り上げの目標やKPIの設定といった数値での管理がなければ、
単なるどんぶり勘定、成り行きでのビジネス、
形になってしまうからだ。

私のこの疑問に対しての答えは、巻末にあった。
星野リゾートの星野社長の解説が腹に落ちた。

まずここで星野社長は、
フラットな組織がサービス業では特に重要である背景には、
消費の即時性があると言っている。

サービス業では顧客を目の前にビジネスをやっているので、
社員が接客した瞬間に消費が完結する、という意味だ。

なので、顧客と社員の間に、経営者が介在することができない。
ということはすなわち、その瞬間、瞬間の経営判断は、
接客する社員一人一人が瞬時に行う必要がある、
というのが星野社長が言っている意味だ。

本にも書かれている通り、
Moment of Truth=真実の瞬間と呼ばれている、
マネジメント、マーケティングの考え方だ。

この真実の瞬間で何ができるのか、
が、競争力の源泉になる。

真実の瞬間で、適切な判断ができるようになるには、
社員1人1人の判断が決め手になり、
モチベーションが高いほど、
その質も比例して上がる、
ということだ。

そして、以前はモチベーション上げるのは社員の責任であったが、
今は、仕組みを作ることにおいて、経営者が社員のやる気を上げる責任がある、
と星野社長は言っている。

この経営者の技術、エンパワメントスキルがまずは重要なのだ。

このようなフラットな組織を作る事は、
まずは経営者が「組織をフラットにするのだ」と覚悟することから始まると断言している。

そのフラットな組織とは、
組織図の中での階層がなく平らな組織という意味ではない。

社員同士が、相手の立場や役職に関係なく、
言うべきことをしっかりと言える組織とのこと。

逆に言うと、社長を始めとした、
管理職と言われている人たちが、
「えらい人信号」を少なくしていくことが大事だという。

さらに、フラットな組織を維持するためには、
社員間の「情報格差を減らす」ことだ。

この解説から先に読んで事例を読むと、
改めて星野リゾートの社員が自分たちでの判断でビジネスを進めているということが、
よりはらに落ちる。

次世代組織マネジメントに今のところ成果がない、
というのが私の持論だ。

なぜならアメーバのように刻一刻と変わっているからだ。

ただし私の中で1つも正解に近いものが見えてきている。

それは論語と算盤。すなわち心の経営と、ビジネスモデルの構築や数字の見える化等の店合理的な考え方を、
いかにバランス持って経営に活かせるか、という点だ。

その意味でも、多くのビジネスパーソンに読んでもらいたいを1冊だ。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

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だから僕たちは、組織を変えていける:これからの組織、経営、ビジネス、マーケティングのあり方を見つめ直す1冊

だから僕たちは、組織を変えていける.JPG

「だから僕たちは、組織を変えていける〜やる気に満ちた優しいチームの作り方」読了。
斉藤徹氏が、ソーシャルシフトの次に何を見せてくれるのか?
という期待に、見事に応えてくださった。

世の中、ここ数年で大きな変化が起こっている。

コロナは言うまでもなく、ITは年々形を変えて進化しているし、
DXもまったなしだ。

変わっているのは、技術的なことだけではない。
ITで便利になり、容易にコミュニケーションがとれるようになるにつれて、
仕事や日々の生活も変わってくる。

今のZ世代に代表されるように、人々は共感を重んじるようになったし、
優しさの大事さにも目覚めてきている。

ともなって、日々の仕事に対する向き合い方も、
「私」すなわち、"自分"を見つめる重要性に気づき、
その時間も増えたことで、
自分を見つめ直したいという気持ちが強まっている。

マーケティングのエリアも、この大きな変化に伴って、
大きく変わっている。

約20年前のソーシャルメディアの登場で、
マーケティングコミュニケーションも大きく変わった。

これは、広告の打ち方や集客の方法が変わったという、
表面的なことではなく、
本質的な「人」の行動と価値観が見える化されてきた、
ということだ。
(このあたりは、斎藤徹氏のソーシャルシフトに詳しい)

特にマーケティングの大家、フィリップコトラーは、
著書マーケティング3.0で、「マーケティングそのものが企業のやめ、顧客のため、そして社会のためのものに変遷している」(意訳)と書いている。
コトラーのマーケティングマネジメントで育った私にはこの本を読んだときに「コトラーがスプリチュアルなことを言っている」ことに大きな驚きを感じたものだった。しかし、直感に優れている経営者から当時このマーケティング3.0を読み「理央さんの解釈でこの本の言おうとしていることを解説してほしい」と依頼されたものだった。

この辺りから経営、ビジネスの考え方が加速度的に変わってきている。

そして、それはまさに斉藤徹氏が言うように、
パラダイムの変化なのだ。

たとえば、ティール組織に代表される考え方も、
組織のあり方・マネジメントとしてのパラダイムの変化だ。

そして、いち個人の考え方としては「ライフシフト」が代表的な事例だろう。
ビジネス・パーソンとしての"自分"を取り巻く、
いろいろな変化に対する判断軸の基準(個人におけるパラダイム)も、
大きく変わったことの現れだ。

ほんの20年前までは、米国発の「合理主義的、MBA的発想」で市場を制することが経営・ビジネスの本流だった。それを考えると、大きな心理的、精神的な変化だ。

私はこのMBA的なアプローチが間違っているとは思っています。ただ、このティール組織やホラクラシーのような考え方が出てきた中で、皆多くの人は、一人ひとりの思いやりや優しさを見つめ直しつつあるにも事実だ。幸福経営の考え方はその最たるものだと感じる。

ここに、私がここ最近感じていることがある。

優しさと強さは両立するのか?
数字の追求と、理念の徹底は相反するものではないのか?
論語と算盤はどちらが正しいのか?

私には、マーケティングと経営において私のメンター、師匠である方に言われたことがある。
「あなたのマーケティングはとても優しい考え方だ。
そしてそれは、今成果を出している人がもっと成果を出すのに向いている。
しかし、マーケティングは競争の理論だ。
なのでそれが全てに当てはまるとは限らないよ」
ということだ。

市場は基本的には競争だ。
これは資本主義である以上、変えようのない事実だ。
市場で、優しくしようと思っていたら、淘汰されている。

しかし、利益だけを追求し合理主義を徹底すると、
社員の幸せが目減りし、社員や経営者、ひいては顧客や社会に貢献もできなくなる。

と考えているうちに、今回のような大きな変化にともなって
ティール組織などの優しい形が重要だという流れになってきて、
競争と、優しさは両立しないのではないか、
というジレンマにさいなまれる。

しかし、斎藤氏のこの本を読んでいると、
そのを、体系的に一連の流れで、しかもとても理にかなった説明で語られている。
それも、主観的ではなく客観的に。

例えば、冒頭にあるVUCAの議論を、いま重要とされているOODAループにどうやって止あてはめめるのかといった説明や、斎藤氏が以前提唱してきたデジタルシフトからソーシャルシフトに移行し、今そしてこれからはヒューマンシフトになっていく、というくだりなども、事例とともに明快に説明されているので腑に落ちた。

私は、市場での競争とは、ライバルを蹴落とすことではもちろんなく、
市場という魔物と戦うことだと思っている。
魔物とは、予測がつかない不確実性や複雑性、あいまいさといった変化のことだ。
マーケティングは、この魔物と戦うための武器なのだ。
だから、ちょっっとでも油断していると負けてしまう、
ということを肌感覚で30年以上実感してきた。

それを踏まえて私は、「時代にマッチした経営手法、マーケティングをしていくことが重要だ、
というとっても本質的な点に立ち返ればいい」と解釈した。

理念と数字、どちらが大事だという二者択一ではない。

私自身が考えすぎていたのだ。
それによって、ずっと感じていた「論語と算盤」のジレンマが、スッと解消されたのだ。

そういう意味では、ビジネスパーソンが「優しさもって成果を出す」ための大きなヒントになる一冊だ。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
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「調べ方」の教科書:マーケティング計画作成のためのリサーチ・分析・戦略立案の必読書

調べ方の教科書

「電通現役戦略プランナーの ヒットをつくる「調べ方」の教科書
あなたの商品がもっと売れるマーケティングリサーチ術」読了。
正確には"2回目の読了"になる。

2周読んでの感想は「やはり実務で使える」ということ。
まずは、マーケティング活動で必要な調べ方を網羅していることで抜け漏れなく学べること、
そしてその上で、抽象的なことを「定義」している点だ。

たとえば、「問題と課題の違い」を定義していること。
私も研修などで感じるが、多くのビジネスパーソンがごっちゃにしているが、
間違えたまま、また、あいまいなまま進めていくと、
最後まであいまいなままで終わり、身につかないのだ。


たとえば、リサーチなどの調べ方の「手法の説明に終わっていない」という点も同じ。
マーケティングやビジネスにおいて、調べることが大事だし必要なのは、みんなわかっている。
一方で、調べる、といっても、
リサーチや情報収集、分析など「調べる」ということはとても幅広いし、
その分、やり方、手法は星の数ほどある。

なので、リサーチや分析のやり方を1つ1つ教えてもらっても、
「う〜ん、いいことを聞いた」で終わってしまい、
仕事で使えないことも多い。

著者はその点を踏まえて、「リサーチや調査から入らない方がいい」
とまず定義している。

「売れないから調査してみよう」とか、
「新しい商品を出すのでとりあえずリサーチだ」ということではない、と言っている。

このような根本的なことを踏まえて、
各論を展開しているので、ぶれずに読み進めることができるし、
これから新製品を出そう、とか、戦略を固めたい、
と感じているビジネスパーソンにとって、使える内容になっている。


もう1つは、型としてのフレームワークが具体的な事例とともに紹介されているので、
読者が自分の仕事に当てはめられる、という再現性の高さだ。

それをP65の「調べ方の3つのステップ」で、
1."なんとなく"の感覚で仮説を立て
2.仮説検証サイクルを回す
3.ターゲットとセールスポイントを決めて打ち手GO!
という「型」を提供している。

PDCAという有名なフレームワークがあるが、
P,のところの計画を立てる前に、
"調べ"なければならない。

なぜなら、計画というものは全て仮説だから。
なので、仮説の精度が高いほど、検証結果の精度も上がる。
しかし、市場は厳しいので、そうそう当たることはない。
なので、PDCAサイクルはスピード持って回し、
できる限り早く、良い検証結果を出したいところ。

その意味でも、このフレームワークのおかげで、
PDCAの本当の意義が理解できるのだ。

これらのフレームワークを、多くの事例とともに紹介しているので、
「ああ、これってうちの会社に当てはめるとこうなるんだな」
と、再現できる。

私も教育に携わるものとして、
この本をビジネスパーソンにお勧めしたいし、
学生たちにもぜひ読んでもらい、
調べるということの本質を掴んで欲しいと思っている。

私がお勧めするこの本の活用方法は、
1回目にざっと読んで調べ方の全体像を掴む
2回目に、自分の当てはめられそうなところをピックアップして深掘り。事例とともに読んで仕事で再現できるかをチェック。
そして、そのあとも調べ方でわからない点が出てきた時に、辞書のように使う、
といったところだ。

さっそく、関西学院大学の図書館の「先生からの推薦」の1冊とさせていただいた。

久しぶりに出た読み応えのある1冊だった。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

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ジャニーズは努力が9割 霜田明寛氏著

以前から、ジャニー喜多川さんが、数多くの候補の中からオーディションに呼ぶ人たちを決めているのか。
という、目利きに興味があったので読んでみた。

元SMAPの中居さんから始まり、木村拓哉さんや、長瀬智也さん、岡田准一さんといった、ジャニーズのスターたちが、
スター街道に来るまでに、そんな努力をしてきたのか、という描写がとても興味深い。

もちろんあれだけのスーパースターには、そう簡単になれると思っていなかったし、
努力をしてきているということはわかっていたが、これほどまでとは思っていなかった。

ジャニーズの中でも特に、90年代以降にデビューしたタレントたちの、
隠れた努力や思い、一人ひとりが信条にしている哲学について具体的に書かれているのがとても楽しい。

さらに、何よりいいのは、それがとてもポジティブに描かれていることだ。

この本は、ありがちな暴露本ではなく、純粋にジャニーズを愛している人が、
華やかに当たるスポットライトの影にある1人の人間像を描いているのだ。

そんな中で、改めて驚いたのは、ジャニー喜多川氏がジャニーズに入れるかどうかの、選択基準だ。

それは、「人間性」と「やる気」だということ。
容姿や、将来的な才能、秘めたタレント性ではなく、人として、ということと、頑張れるか、の2つとのこと。

この判断基準は、企業における判断基準に共通するものがある。
考えてみれば、仕事のスキルややり方は入社後のトレーニングで向上できるが、
人間性とやる気は入社後に簡単に変えられるものではない。

特に「自社の理念」「目指すところ」「ミッション」を理解し、共感する人材でなければ、自分の意思でスキルを身につけることはできないし、長続きしない。

Will・Skillマトリックスで考えると、Willが高いかどうか、で決めているということだろう。

最近言われている「ジョブ型雇用」はもちろんジョブすなわち仕事ができる人を採用する、とか、仕事に必要なスキルを持っている人を採用する、という側面もあるかもしれない。しかし、私の外資系企業での経験では、ジョブ型雇用とは「会社にとって必要なジョブ(この場合は仕事というよりもやるべきこと)がある。そのジョブに適した人を採用する、という意味なので、必ずしもスキルだけではない、ということを覚えておきたいところだ。

その意味でも、この本は人事や採用担当者、スタートアップ企業で人材を確保したい人たちにもおすすめできる1冊だ。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 専門職大学院 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

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ブランディング 中村正道氏著 ブランディングの重要性と小さな誤解


この本の帯に「ビジネスの高収益を実現する極意」
とある通りに、マーケティングの分野の中でも、ここ数年来ブランディングは重要だ、ということが浸透している。

一方で、ブランディングが正しく理解されていないという現実もある。

ブランドを構築し、企業価値を高め、製品の売り上げに貢献し収益を出していく
という一連の流れの中で、ブランドコンサルティングする会社として最も有名な、
インターブランドジャパンの方の著作なので、読んでみた。

この本では、

  • ブランドとは何か、
  • その必要性、
  • どうやってブランディをマネジメントしていくのか、
  • ブランディングの核になるのは何か、
  • ビジネスとブランドと理念の関係、
  • そしてブランディングをどのように推進し、
  • どう効果測定していくのか、

という流れが、ステップバイステップ、段階を踏んで、
実際の理論と、インターブランドのフレームワーク、
そして企業の実際の事例とともに説明されている。

私は、ブリティッシュアメリカンタバコや、
アマゾンでブランドマネージャーをしてきた実務担当者として、
製品や企業そのものの価値を向上させていくことをやってきた。

その経験から、ブランドマネジメントは、単なる手法論ではなく、
事業戦略として、会社で進めていくべきものだと考えている。
その私が読んでも、この本はより深く広い領域までカバーしているし、
核心をついていると思う。

特に、インターブランドが提唱する4つのクアドラントモデルで、
スターバックスの事例を説明している点が特に腑に落ちた。

スターバックスは、TVCMのようなマスメディアでの広告や、
SNSのプロモーションのような、いわゆる"通常の"販売促進を行っておらず、
経営理念(ミッション)をもとにして、店頭そのものが彼らの最大の強みであり差別化ポイントであるということを利用し、おもてなし含めて今の業界で地位を築いている。

それを持って、ブランディングと一般的なマーケティングコミニケーションとの違いを説明する中で、ブランディング=広告コミニケーションだという誤解である、と論じている。

メディアが多様化して、情報が氾濫する今、ほんの数年前まで主流だったマーケティングコミュニケーションが、効かなくなってしまうことは日常茶飯事だ。

このような状況だからこそ、自社や製品をブランディングすることの重要性がますます高くなっている。
手法の変更などで終わることなく、ブランディングの根っこを理解して初めて、、売れる仕組みが完成する。

その意味でも、マーケティングや営業に関わるビジネスパーソンはもちろん、企業経営者、スタートアップの代表、これからビジネスを起こそうとする起業家にとって一読の価値のある必読書だ。

 

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

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カモメになったペンギン ジョンPコッター著



この本の帯に、
「変わらなければ、生き残れない」

「仲間を危機から作ったペンギンのリーダーシップに学ぶ、

組織を変革するための最も平和的なアプローチ」

という内容がある。

この本は、氷山が溶けそうだ、
という危機を予知したペンギン達が、

誰が、何を、いつまでに、どうやるのかを、

リーダーを筆頭に、
チームとして考えて、
全員が生き残る、
というストーリー。

- これから起こるかもしれない問題にどう対処するのか
- 1人でできることには限界がある
- そもそもは問題は何なのか
- チームのメンバーの長所と短所を考え適材適所に配置する
- 良いニュースと悪いニュースを的確に入手する
- 情報を共有し最善の策を打つ


といったような現実のビジネスで,
毎日のように起きている諸問題を、

ペンギンたちがストーリーの中で解決していく様が描かれている。

たとえば、このペンギンたちの中の、
リーダー格のルースが、

変革のためにチームをまとめるステップが必要だと知っていたから、

多くの難題を解決することができた とか、
新しい何かを始めるときに、
やれというだけでは人はついてこない。


これまでとは違う将来を生み出すには、
新しいビジョンを伝えることがとても重要で、
このストーリーの中でそれが成功したが故に、

ペンギンたちは危機を回避して生き延びることができた。
といった具合だ。

この長く続いているコロナ禍において、

今までの経験やフレームワークや理論では、
解決できない問題がこれからまた起こり得る。

このような状況下で、何をしなければいけないか、
を私たちに考えなければいけない。

一方で、これまで経験したことのないことが発生するため、
これまでの経験では解決できない。

なので、誰に聞いてもわからないし、

ビジネス書やインターネット上にも、
情報が落ちているわけではない。
自分で考えなければいけないのだ。

この物語はペンギンが主役の寓話ある。
なので、これをそのままやれば成功する、
というわけではないし、

自分たちのビジネスにそっくりそのまま当てはまる、
というものでもない

しかし、私たちが学ぶことが非常に多いというのが読みとれる。

寓話で書いてあるがために、
「このようなことが起きたら、
こうすればいいのではないか」
と、
自分の仕事に当てはめながら読めば、

発想のトレーニングにもなりうる。

普段、私はあまりこの手の本を読まないが、

気分転換にもなり、想像しながら楽しくも読める。
その意味でも、おすすめの一冊だ。

マーケティングアイズ株式会社 代表取締役
関西学院大学 経営戦略研究科 教授

理央 周(りおう めぐる)

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