Marketing i's [マーケティングアイズ]

マーケティングはサイエンス(科学)に基づいたアート(芸術)である

トヨタの強みは理念の浸透にあり:愚直と現地現物がDNAとして社員に刻まれている

昨日は、所属する経営者会SAM(Society for Advanced Management) 、日本チャプター90周年の記念行事に参加した。

なかでもトヨタ自動車名誉会長 豊田章一郎氏の講演は圧巻だった。

テーマは「モノづくり、人づくり
ご自身の長きにわたっての、経営の第一線で陣頭指揮を執ってこられた経験は、他者の追随を許さない迫力だった。

ものを創ることは、技術力なども重要なのだが、知恵、工夫、創造力の結晶なのであるということ。
それは長い時間をかけて培われることなのだとおっしゃっていた。

そして愚直な努力を続けることによってのみ、感度が鋭くなり知的熟練度が培われる。
その積み重ねが企業としての競争力になるとのことだった。

この愚直、という言葉はトヨタ自動車の方がよく使う言葉。
一見、ほめ言葉に聞こえないケースもあるが、熱心に精を出して継続し実践する、
という仕事本来において、最も重要なことなのである。

もう一点、なんども出てきた単語が「現地現物
机上だけでは物事はなされない。
生産の現場に行って初めて本質をつかむことができる、という意味である。
これは、マーケティング活動において、消費者インサイトを把握するときに、
売りの現場に出向いて、帰納的に課題を抽出するアプローチと同じである。

愚直、現地現物という言葉を繰り返しおっしゃっていたことが、このDNAが社員の方々に根強く浸透しているところがトヨタの強さなのだ。

やはり創業家の方のいうことには説得力と重みを感じる。
1時間があっという間の、素晴らしい講演だった。


マーケティング コンサルタント 理央 周

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