今話題になっている、ピース又吉直樹の「火花」を読んでみた。
このところ小説離れをしているボクにとって、かなり久しぶりに読む文学。
正直にいって、25万部刷られた、とか芸能人の書いた小説、という点に惹かれた部分もあるけれど、純粋に読んでみたかった、ということもあった。
まず、全体を通しての感想は次回作以降も楽しみだ、という点。
小説には著者の色が色濃く映る。
そしてそれは、その著者の書いた小説のイメージになる。
村上春樹の小説はどれを読んでも、「1973年のピンボール」の香りがするし、
村上龍の小説は「69」「限りなく透明に近いブルー」の味がする。
ある書のオーラを感じるのだ。
火花には、又吉直樹のイメージが色濃く反映している。
そのオーラは、ボクにとってはとても心地よい。
たとえば、32ページに、神谷氏が「共感至上主義の奴らって気持ち悪いやん?確かに心地いいねんけど、共感の部分が最も目立つもので、飛び抜けて面白いものってないやん。・・・」と言う場面がある。
この芸人が言うには一見矛盾しているような言葉に、
この本で言いたいことの深さがある。
さらに、ボクなんかはここに共感する。
テレビで見慣れているイメージがあるせいか、又吉氏の漫才はけして正統派ではないし、しゃべりも立て板に水、という感じではない。一風変わった髪型に、やせ過ぎという感じのルックスが目立つが、真剣なまなざしにファッションもセンスがいい。そこにこだわりとセンスを感じる。
その点が、先に書いた矛盾を表している。
芸人として、万人に刺さる笑いを届けるのだが、
その根底というか本質は、誰にも理解できない自分自身のこだわりから湧き出てくるのだ、
と言いたげだ。
ビジネス書と違い、小説は「読みたいか読みたくないか」「面白かったかどうか」が読者の評価だと思うし、ボクもその観点で読みたい本を選んでいる。
その意味で、火花はまぎれもなく面白い本だし、次回作も読んでみたい。
マーケティング コンサルタント
理央 周
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