「デジタルは人間を奪うのか」読了。
この本は、ITの進化に伴う「行き過ぎた」デジタル化に警鐘を鳴らしている。
もう私たちの生活にデジタルは無くてはならないものになっている。
スマホはもはや子供にまで浸透し、以前から言われているユビキタス社会になっている。
しかもその進化のスピードは速く、ほんの10年前には5,6しかなかったテレビのチャンネルも、今では普通に2ケタ以上。
そこにWeb2.0、SNSの台頭で、ますます利便性が増した、かのように見える。
今までは遠く離れた友人とは1年に一度、年賀状のやり取りだっただけだが、
フェイスブックやツイッターで、沖縄の友人が昨日何を食べたかまでわかる。
このように便利な光がさすと、その影もできる、ということも承知しておかなければならない、
というのが、ボクのこの本での気づきであり理解である。
インターネットに依存してしまう場合もあるし、この本に紹介されているように、1日にかなりの回数のPCのキーボードをたたくことによる自身の機械化など、徐々に弊害になって表れてくる。
現実と仮想の境界線が薄れてくることにも注意したい。
ネットがないころは、仕事における情報伝達の手段は、
「会う」か「電話」か「手紙」しかなかった。
スピードもって誠意を伝えることも、この順に伝わる。
ここ数年では、メールはもちろん、フェイスブックやLINEで重要なメッセージを送り、
「伝えたつもり」になることも多い。
マーケティング活動において、インターネットが出現してからは自社を伝えるメディアとしても同じことが言える。
念のために書くが、ボクはネットの利便性やハードの進化を否定するつもりは全くない。
しかし、デジタルを使いこなす上で、考えるべき点が多いということである。
デジタル肯定派、否定派の方々が書いている本はまだ多いが、この本の視点は現実論であり、再現性が高い。
その意味でも、多くの気づきをもらうことができた1冊だった。
マーケティング コンサルタント
理央 周
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